AIの種類とは?AIの機能や能力レベル、活用事例まで解説
- 嘉藤田 潔
- 2022年4月28日
- 読了時間: 8分
更新日:2022年5月10日
AIは日常生活やあらゆるビジネスに利用され、多くの成果を挙げています。
しかし、AIは用途や種類が豊富にあるため、詳しく内容を理解している人は意外と少ないかもしれません。
本記事では、機能面で分類したAIの種類と、能力面で分類したAIの種類をそれぞれ解説します。
AIにできることや活用事例なども解説します。ぜひ参考にしてみてください。
【目次】
・AIとは
・機能面で分類したAIの種類
- 特化型AIとは
- 汎用型AIとは
・能力レベルで分類したAIの種類
- 弱いAI
- 強いAI
・機械学習でできること
- 画像処理
- 言語処理
- 音声処理
- 単純作業
- 推論
- システム制御
・AIが活用されている事例
- ゲーム
- チャットボット
- 株価の予測
- レコメンド機能
- 翻訳機能
- 製造業における生産量・在庫の最適化
- 広告配信の最適化
・まとめ
AIとは
そもそもAIとは、「人工知能技術」を意味します。人工的に人間の脳を作り、機械に導入して過去にはできなかった複雑な作業を行えるようにするのが、主な目標です。
一方で、AIについて明確な定義はなく、「AIを使っている」という場合でも、状況次第で意味することが変わるケースがあります。後述するようにAIは複数の種類に分類できるため、その意味が曖昧になることも多いです。そのためAIの機能を活用するには、まずその種類を把握することがポイントになるでしょう。
機能面で分類したAIの種類
AIの種類は、機能面で分類できます。以下を参考に、機能面においてどのような種類のAIがあるのかチェックしてみましょう。
特化型AIとは
特化型AIとは、特定の分野や領域に対して高い性能を持つAIを意味します。
決められた範囲において処理や分析を行うのが役割となり、ほかのAIやシステムではできない仕事を任せられます。
例えば天気予測、音声認識、自動運転システムなどが、特化型AIが活用される主な現場です。昨今において、世界中で広く活用されているAIの種類は、この特化型AIのことを指すケースがほとんどです。
汎用型AIとは
汎用型AIとは、特化型とは逆に分野や領域にとらわれず、あらゆる場所で活用できるAIです。
多種多様なタスクを処理することができるため、日常生活や事業において幅広く役立っています。
究極的には人間と同様の動きができるとされており、将来的には汎用型AIが人に代わって多くの業務を担うという予測もあります。しかし、現在の状況においては汎用型AIの事例が少なく、その機能も「人間のような動き」とはかけ離れているものが多いです。
今後の発展に期待されるという点において汎用型AIは注目の的ですが、今すぐ事業の多くを任せることは難しいと考えられるでしょう。
能力レベルで分類したAIの種類
AIは、能力に応じたレベルで分類することも可能です。
以下のように強弱でAIを分類することで、その用途や目的を把握しやすくなるでしょう。
弱いAI
弱いAIとは、一般的に人間が作成したプログラムに従って動いているAIのことを指します。
アメリカの哲学者である「ジョン・サール氏」が提唱した考え方であり、それによると現在、世界で活用しているすべてのAIは「弱いAI」に分類されます。
現代においては特化型AIが主流となっているため、「特化型AI=弱いAI」と認識することも可能です。
強いAI
強いAIとは、人間と同等の知能を持ち、問題に対して判断力を働かせて具体的な解決策を導き出せるAIを指します。SF映画などに出てくる人間と変わらない知能を持つAIが、強いAIのイメージになるでしょう。
現代社会においては、この強いAIの実用化は実現できていません。強い・弱いAIの提唱者であるジョン・サール氏も、将来において強いAIは実用不可能と公言しています。
機械学習でできること
AI(人工知能)の持つ機能のひとつに、機械学習と呼ばれるシステムがあります。機械学習は既に多くの企業に取り入れられているAI技術の一種であり、以下のようなさまざまなメリットをもたらしています。
画像処理
AIの機械学習は、画像データを読み込むことで多くの情報を抽出する画像処理技術が利用可能です。画像を認識して、そこに何が写っているのかを判別できるため、顔認証や写真の分類などに使われます。
もっとも身近な例として挙げられるのは、AIが画像処理を行って類似したデータを表示するGoogle画像検索です。
言語処理
人間の声を言語として理解し、認知と処理を行うシステムも機械学習の得意分野です。例えば、近年話題となっている家電「スマートスピーカー」には、AIがクイズを出して人間が回答するというゲームが組み込まれています。クイズを出題してその回答を認識し、正誤を判断することができるのは、機械学習の言語処理機能によるものです。
音声処理
AIの機械学習は、人間の声および言語をテキストで認識する音声処理も可能です。
直接AIに話しかけて内容をメモしたり、テキスト化した内容を使ってインターネット検索を行ったりといった使い方がされています。
単純作業
AIおよび機械学習がもっとも得意とするのが、単純作業に分類される領域です。例えば同じ計算や作業を繰り返す業務や、膨大なデータを分けて分析する業務などにおいて、AIの機械学習が役立てられます。
機械学習であれば、データを与えることによって、自動で計算や分析を行うため、人間に求められる労力は最小限に抑えられるでしょう。
推論
AI・機械学習は、推論と呼ばれる未来を予測する行動も可能です。例えば、近年AIと人間による将棋やチェスの試合が行われ、高い学習能力と未来予測システムを持つことが証明されています。
AIがプロの棋士に勝つ事例もあり、その精度は年々向上していると期待されています。
システム制御
機械学習には、蓄積されたデータを理解しつつ、最適な形で機械制御を行うシステムにも応用できます。
具体的にはエネルギーシステム制御の領域で、「強化学習」と呼ばれるシステムが使われているのが特徴です。
近年話題の自動運転技術にも、このシステム制御が使用されています。そのほか、システム制御は空調や電力使用の最適化にも応用できるため、コスト低下につなげられるのもメリットです。
AIが活用されている事例
AIは多くの業界や職種で、既にその機能が活用されています。以下では、実際にAIが活用されている事例について解説します。
ゲーム
AIは、ゲーム分野で既にその特徴が活かされています。ゲームのようにルールが明確に決められている領域においては、限られたプログラムで動くことを得意とするAIにとって強みを発揮できる領域です。
実際にチェス、将棋、囲碁などは、AIが人間のユーザーと対戦して勝利するまでに進化しています。
チャットボット
ユーザーとインターネットを介して自動会話を行うチャットボットにも、AIの技術が活用されています。主に、コールセンターや配送サービスなどで利用され、人員を補充しなくても24時間対応ができるといったメリットを生み出しました。
特にIBMが開発したAI「ワトソン」は有名で、日本のメガバンクに活用されたことでも話題となりました。
株価の予測
株価情報をAIに学習させれば、実際の市場を予測して株価の動向を追うことも可能です。株価は判断基準が明快であるため、人間よりもAIの方が安定した運用ができると評価されています。
既にAIによる株取引を推奨している会社も存在するため、今後は株価の予測に人間の手が加わらなくなる可能性もあるでしょう。
レコメンド機能
AIは顧客の買い物傾向やこれまでの購入履歴を参考にして、おすすめ商品を提示する「レコメンド機能」にも活用されています。インターネットの販売サイトなどで、顧客ごとに閲覧した情報をストックしてデータ化することで、顧客ニーズに近いものを表示可能です。
商品の販促に役立つほか、顧客が自分でも気づいていない潜在的なニーズにアプローチできるのが特徴です。大手インターネットサイトのAmazonや楽天などでも、AIを用いたレコメンド機能が実際に使用されています。
翻訳機能
現代のAIは音声やテキストを認識して、自動翻訳することも可能です。外国語から日本語へ、逆に日本語から外国語に変換することが容易に行えるため、ユーザーに対して言語に関係なく情報を提供できる時代が来ています。
Googleでは「Google翻訳」というAIを活用した翻訳システムを制作して、誰でも自由に扱えるように公開しています。
製造業における生産量・在庫の最適化
AIは製造業などにおける、生産量の確保や在庫の最適化などにも役立っています。労働者数の減少が進む国内において、AIなどのITシステムを用いた製造業の効率化は急務とされています。
AIなら機械学習のデータ分析によって、定量的な在庫管理や生産計画の立案が可能です。
精度の高い需要予測も可能となるため、過剰在庫を抱えることを避けて最適な状態をキープできます。
広告配信の最適化
AIはインターネット広告配信における、最適化にも利用できます。「AI広告」と呼ばれるこの機能は、予算に応じてAIが効率的な配信方法を判断して、その都度的確な対応を提案するシステムです。
CPA(顧客獲得単価)を削減しつつ、広告担当者の負担も減らせることから多くの企業で活用されています。「Google広告」に採用されている「自動入札機能」も、AI広告の活用事例となっています。
まとめ
AIにはさまざまな種類があり、特化型AIに関しては既に多くの事業や生活の場で利用されています。AIに対する理解を深めるためにも、活用事例も参考に、AIの種類を把握してみてはいかがでしょうか。
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